願いを乗せた小さな星
「あ、流れ星だ」
なんて言い終わった時にはもう消えていたけれど、私の目には確かに映っていた。
「願い事3回なんて、言い切れないよね〜」
でも、今映るのは私を笑うアキラの姿。
「お前、ンなもん信じてんのか?」
アキラは小石を手に取って、目の前に広がる海に投げ捨てた。
海に映った大きな月が、歪んで、また戻る。
「別にいいでしょ!信じてたって!」
私は顔をアキラからそらし、反対に向けた。
意地をはる子供みたいな私を、アキラはまた笑った。
「でも3回なんて言えるワケねーだろ」
「・・・アキラのいじわる」
私は頬を膨らませた。アキラは笑い続ける。
「でも、さ」
私が言いかけると、アキラが笑いを止めた。
「2人で一緒に言ったら、言えるかもね!」
私は夜空に手を伸ばした。つかめそうでつかめない星を、じっと見つめた。
アキラはそんな私をみて、また笑った。
「なんだよ、それ」
ぷっと吹き出して、また笑い出す。
でも、それは妙に大人っぽくて、落ち着いた笑顔だった。
「それなら流れ星ってのも・・・悪くねぇかもな」
照れくさそうに頬をかくアキラは、夜空に顔を向けた。
その時、星が夜空を走った。
「流れ星・・・!何願うんだよ!」
「え、えっと・・・」
言おうとした時にはやっぱり、もう消えていた。
「またダメか・・・」
残念そうに言うアキラがおかしくて、私は軽く笑った。
アキラはそんな私を怒らずに、一緒に笑った。
「また今度見に来ようよ」
私は立ち上がって、アキラに笑顔を向ける。
「そうだな・・・今度はちゃんと、3回言えるようにしとけよ」
アキラは私の手を握って立ち上がった。
今度来るときは、ちゃんと言うんだ。
「いつまでも一緒にいられますように」・・・って。
+あとがき+
『紅い花、白い花』の実様への捧げ物です♪
絵+小説、ということで、私の好きな夜空を題材にさせて頂きましたv
返品や書き直しなど、何かありましたら何なりとお申し付けくださいませ!
相互リンク、ありがとうございましたっ♪
2007/09/19 優香
+絵・小説ともに、実様のみお持ち帰り可です+
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