ずっとつないでいたから、とっても変な感じがするよ

君の手が、私の手の中にない事







今思えば、どうしてなのか、わからない

君がいつも、私の手を握ってくれたこと

いつもさりげなく握っているから、気がつけば、いつも手をつないでいるんだ

それが、普通だった

いつまでも続くことだと思っていた







でも、今はもう違う







君の手は、他の人とつながってる







今でもたまに、すれ違うよね

でもね、その度に思うんだ







私と君は






もう、遠い存在







近くに居たとしてもね

間には深い溝があるの

飛び越えられそうには、ない

足が震えてる

向こうヘ行く勇気がないの

原因はきっと







溝と君への







恐怖







私の手は、とっても冷たい

今までは、君の温かさがあったから

自分で温めようなんて思わなくても

君が温めていてくれたんだ

自分を温めるよりも、私を温めていてくれた

でも今は、君の温かさは無くなって

あるのは風の冷たさだけだから







居なければこんなにも冷たく、悲しくなってしまうのに

君が手を握っていてくれたときの私は

それを普通と思い込んでいた私は







なんて、馬鹿なんだろう







今、欲しい物はただ1つ







君の、温もり







今更戻ってくるはずのない物を今か今かと待ち望む私は







本当に愚かだ







ああ

君の温もりさえあれば、他に何も要らないよ

だから

君の温もりよ

どうか

戻って来て







目から流れ落ちた雫は、ほんのりと温かかった

でも

君の温もりと比べたら、こんな物・・・

そう思えば思うほど

ひたすらこぼれる、雫

誰か、この流れを止めてくれないだろうか

いや、誰かじゃダメだ







君でなきゃ、ダメだ







ふと、誰かが私の頬を拭った

それは他でもない















君の手が、私の雫を拭き取った

ああ、これだ

私の待ち望んだ、温もり







「ごめんね」







そう言って、君は私を抱きしめた

全身で感じる、君の温もり

溢れ出す、雫

私もそっと、君の背中に腕を回した







もう、決して離さない

私からも、君の手を握るよ







君が私を温めてくれた分

私も君を温める

これからも、ずっと







これからは、2人分の温もりを、分け合おうよ





















私と君の、温もりを




















+あとがき+
はじめての短編です。いかがでしたか?
ほんのりと温かいような小説を目指して書きました。
詩のような感じですが、一応小説としておきます・・・。
いつか詩も書いてみたいと思った、今日この頃。


2007/06/10 優香


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